ヒマワリ

 

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No.526 ヒマワリ

毎夜、草むらでは虫たちが涼を楽しみながらざわついています。季節はずれに見る最後のヒマワリには、取り残された寂しさがにじんでいます。旬の色が濃くて隆盛だったものほど、旬が過ぎたあとの侘しさが大きい。寂しく笑っているのか、泣き笑いなのか、太陽に背を向けてカラ元気を放つヒマワリには最後まで強がったまま終わってほしい。日本列島もやっと冷めてきました。オホーツク海に面した北の住人は、先日ストーブに初めて火を入れたと電話口で話していました。とどまろうとしても、季節は後ろからせきたてるように移ろっていきます。2013年9月9日

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