カタクリ

カタクリ

No.659 カタクリ
不思議な話があるものです。このカタクリ、福島県西会津町のとある集落から雑木林をすこし分け入った場所に群生していますが、数年前までは住人もその存在に気付かなかったそうです。山の傾斜地から続く薄紫の絨毯が集落の墓を見守るように取り囲んで咲いていたものの、雪深いこの地域では春彼岸の墓参の習慣がなく線香をあげに来るのは夏のお盆の頃。でもその頃にはカタクリは地上から葉も茎も消失して跡形もなくなってしまうので誰も気づかなかったそうです。万葉集の頃から「堅香子(カタカゴ)」の名前でも親しまれ発芽から開花まで7~8年も要するのに、開花時以外は姿を消して地下で眠っている春の妖精です。でも寿命は40~50年もあるそうで、今年はきのこ汁もふるまわれる「かたくりまつり」も開催されて集落全体で祝ってもらいました。
この西会津で写真展も開催しています。
http://nishiaizu-artvillage.com/news/2015/03/24/may2july5flowersoffukushima/
※また、郡山駅の駅ビル“エスパル郡山”でも5/1~10まで写真展開催中です。5/9は谷川賢作さんとのトークショーもあります!
2015年5月3日

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