
第256回 ザクロ
「石榴・柘榴」。盛夏を迎える前に咲いた濃いオレンジの花色と、大地から吸いあげた水分とが濃縮と希釈を繰り返してつくり上げたようなルビー。澄んだ一粒一粒は美しいのに、固まりになると、何かをしでかしそうな空恐ろしさを漂わせています。灰色の空のもと木質化しかけている頑迷な外皮と、想定外のみずみずしい透明な赤。妖しさと美しさの間にあるか細く消えそうな道。花の裏路地にはこわいもの見たさの小さな沼が点在しています。

第256回 ザクロ
「石榴・柘榴」。盛夏を迎える前に咲いた濃いオレンジの花色と、大地から吸いあげた水分とが濃縮と希釈を繰り返してつくり上げたようなルビー。澄んだ一粒一粒は美しいのに、固まりになると、何かをしでかしそうな空恐ろしさを漂わせています。灰色の空のもと木質化しかけている頑迷な外皮と、想定外のみずみずしい透明な赤。妖しさと美しさの間にあるか細く消えそうな道。花の裏路地にはこわいもの見たさの小さな沼が点在しています。