第262回　イソギク
「磯菊」。海のそばの岩場や海岸沿いに自生しているキク科の植物。出身がはっきりしており、千葉から静岡にかけての太平洋岸に自生しているキクです。暖かい海沿いでは冬の初めまで咲いており、寒中の黄色が人を喜ばせるからか園芸品としても楽しまれています。花びらを排除した花と、ビロード状の白い毛におおわれた猫耳のような葉裏。潮風の容赦ない鍛錬が少し変わった風貌にしたのでしょうか。私の住む場所は福島県の真ん中で海から距離があるせいか、花と向き合えば磯の香りと海のとどろきへの憧れを引き寄せてくれます。