
No.329 ハナモモ
こんなにもすきまなく咲こうとして、花としての使命感が枝の隅々にまでみなぎっています。春の喜びを一心に表現しているハナモモは、女の子の幸せを願う桃の節句にふさわしい花です。原産は中国ですが、花を観賞するために江戸時代から品種改良が重ねられてきました。今、私たちのまわりにあるのは江戸時代の品種が多いようで、春の日に時を隔てて花気分を共有できるのはなかなかに佳きことです。花を咲かせることに重きを置いたせいなのか、実はなるものの小さくて食用にはなりません。「きれいだねー」「ほんとにねー」、花を見る人々のそばでよく聞く言葉。実際はこれだけで十分なのかもしれません。



