No.364　ウメ
桜が心を浮き立たせてざわつかせるものなら、梅は心を鎮めてゆらぎのない湖面のような静けさをもたらしてくれます。老木のような枝節から唐突に吹きだす丸い顔に「梅ちゃん」と親しみをこめて呼びかけたくなります。原産は中国と言われていますがはっきりしません。遣唐使が日本に持ち帰ったものとも言われています。梅文様は着物や帯、手ぬぐいに至るまで季節をもたらすものとして愛されていますね。特に家紋は100種以上もあります。六角形の中の梅「亀甲に梅」、ひし形から一部だけ見えている「細菱にのぞき梅」、梅を裏側から見た「裏梅」など、見ていてあきないデザインと言葉。遊べます。