タチアオイ


No.738
タチアオイ
花の下から順に咲き上がってゆく様子は、生命の階段。
その一段一段には、水の記憶が宿っている。夜露、雨、朝靄、すべての水が、タチアオイの命を支える糧となっている。古くから人々の暮らしのそばにあったこの花は、薬草としても親しまれた。喉を潤し、熱を鎮めるその力は、見た目の華やかさとは裏腹に、深い癒しを内に秘めている。タチアオイはただ美しいだけではない。水と共に生き、水を活かし、人の暮らしに寄り添ってきた。

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