N0.372　クロッカス
水に溶かしたマーブル模様よりずっと規則正しくデザインされ、花びらに色素の通り道がめぐらされている事に驚きを覚えます。水栽培の「教材用球根」として一度は目にしているのではないでしょうか。茶色でごつごつした球根の中に、よくもこんなに美しく花開く可能性が隠されているものだと毎度不思議な気分になります。クロッカスは地中海原産ですが、その仲間のひとつ、「薬用サフラン」はパエリアやブイヤベースの黄色や風味を演出するもとのして欠かせないものです。薬用サフランの雌しべは長く糸のように垂れ下がり、その先端を手摘みして乾燥させるそうです。1グラム採取するのに160個分の花が必要と言いますから、太陽が降りてきたようなあの色はとても貴重なものなのです。