No.420　キショウブ
磐梯山を背にしてあぜ道に咲くこの花を、子供の頃からあたり前の風景として眺めていました。薄暮がせまりくる夕刻、「ひょっこりひょうたん島」見たさにあわてて走って帰ったものです。楽しいことが何なのかが、明快にわかっていた頃でした。本来は西アジアからヨーロッパ原産ですが、明治時代に日本に入ってきました。ハナショウブには黄色系のものがないため、本来はもう少し大事にされてもいい花ではあります。日本各地の水田脇や水辺や湿地に野生化する強さゆえか、「どこでも目にする花」になっているのが少し気の毒です。でもこうしてステージに上がると、実にいい味出しています。