ホオノキ

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No.431 ホオノキ
「朴の木」。いろいろな事に疲れたら森を歩きます。足元に落ちた枝を踏みしめながら、うぐいすやかっこうの声を遠くに聞きながら。頭を真っ白にして足元だけを確かめながら歩く時間はかけがえのないものです。疲れをおぼえて見上げると、朴(ほお)の葉やブナのこずえが青空を背に見下ろしています。朴の葉は大きくてうちわのようです。下から見上げることしかなくて気づきませんでしたが、木の頭頂部に見たこともない極楽浄土がありました。今までに出あったことのない香りです。モクレン科の花は大きく、甘いフルーツの香りです。吸い込まれるような存在感が誰に見られるともなく山の中に息づいています。

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