No.503　サギソウ
湿地の植物ですが乱獲されて今では野生のものは少なくなっています。サギに見える部分は「唇弁」、下に細く伸びた管は「距」と言ってここに蜜をためています。こんな奥にある蜜を吸える蝶は、長い口吻を持つスズメガ科の「蛾」に限られています。この蛾たちは山間をぬって長い距離を飛べるので、複眼の周りについた花粉を山あいの離れたサギ草まで運んでいき遺伝子の交流を盛んにしてくれるのです。サギソウは、蜜を吸わせる生き物までしっかり選択しているわけです。その香りは夜になると強くなるらしく、妖し気です。しかも花言葉は「夢でもあなたを想う」。うーん。