アケボノソウ

アケボノソウ600

No.678 アケボノソウ

ソバカス顔に元気のいい雄しべが音をたててまばたきをしているようで、愛きょうにあふれています。白い花びらの先端に点在する紫の斑点が夜明けの星空のように見えるので“アケボノソウ”と呼ばれており、見た目は強い苦みで知られるセンブリに似ています。湿った場所が好きらしく、落ち葉がしっとりと積もった場所で80センチほどの背丈まですくすく育ちます。アリたちはこの高さもいとわず、蜜腺である花びらの黄みどり色の2つの斑点をめざしてせっせと登っていきます。、一年目は栄養を蓄える根や茎、葉を充実させることに費やし、冬は休眠に入ってしまうので花が咲くのは2年目の秋口。じっくり型のアケボノソウは明けの明星を何度も見送りながら、いつの間にか自分の花びらにその景色を焼きつけてしまいました。2015年9月24日

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