第101回　ナツツバキ
「夏椿」、あるいは「沙羅樹」（シャラノキ）。
仏教の聖樹「沙羅双樹」（さらそうじゅ）に似ているのでシャラノキと呼ばれるらしいが、撮影するまで同じものと勘違いしていた。「椿」とついているものの、秋には落葉してしまう。その薄手で明るい緑の葉を見ているだけですがすがしい気持ちになれる。こんなに美しいのに一日花というのが本当にもったいない。
と思うものの、深い緑の苔の上に点在する白い花、あさいみどり葉、これから咲こうとする堅い蕾、これらの調和を日本人はこよなく愛している。