No.719　トマト
早朝、一歩足を踏み入れた畑はひんやりとした空気が心地よい。夜明け前に降りた朝露は、トマトの葉にも、小さな黄色い花にも、こぼれ落ちそうな水玉となって宿っている。その姿はまるで、自然がそっと置いていった宝石のようだ。花弁の先に並ぶ水玉は、まるで星をちりばめたよう。静かに、確かに、命がつながれてゆく予感がそこにある。