ユウガオ


No.745
ユウガオ
夕暮れ時、ふと畑の片隅を見やると、その名のとおり、夕方にそっと咲く、やわらかな白い花。子どもの頃、祖母がよくユウガオを煮てくれた。あんかけにした優しい味。あの柔らかさと、出汁をふくんだ淡い風味は、夏の食卓の記憶と重なって、今も心に残っている。大人になって育ててみると、意外にも気むずかしい。蔓はのびのびと育つが、花が咲いても実がつかないこともある。天候や時間、タイミング、何かひとつでも違えば、素直に実ってくれない。それがまた、ユウガオの奥ゆかしさのようにも思える。

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