キク

232kiku
第232回 キク
「菊」。春の桜色と並び、菊のすがすがしい香りはこの国に生まれたことを強く思い起こさせるものです。日本ではすでに平安時代ごろから鑑賞する習慣があったと言われています。宮中で行われていた「重慶の節句」は菊の節句とも呼ばれ、現在の皇室園遊会(観菊御宴)に引き継がれています。江戸時代には盛んに品種改良が行われて、多種多様な色や形がありますが、中でもこれは花びらが管(くだ)のようになっているので「管物(くだもの)」のくくりに入ります。直径が20cmもあり、大ぶりで、そうですね、わかりやすく言えばエノキ茸が美しく花開いた感じでしょうか。こんな表現しか見当たらず申し訳ないのですが、とにかく、花火大会の大トリの、夜空を覆い尽くすような超大玉花火な訳です。

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