コギク

237kogiku
第237回 コギク
「小菊」。11月も今頃になると明け方の空の神々しさにうたれます。夜と朝の境目に切りこんでくるオレンジ色の太陽と、名残惜しそうな明けの明星と。そのうちピィーピィーひよどりも泣きだしてつくづく寒くなってきたことを感じます。この季節に咲く花も少なくなってきました。人の目には寂しいけれど、花にとっては虫も活動しない季節に花を咲かせる理由がないのでしょう。
自然界は、明快で理にかなった事情でできたぴったりとはまるジグソーパズルのようです。この小菊は一部が風で倒れましたが、倒れた姿勢から再び起き上がろうとする途中で花を咲かせました。

page top