キク

238kiku
第238回
菊の中でも「大輪菊」に分類されます。手のひらに収まらない大きさと重量感を伝えたいのですが、どうでしょう。ふだん花びら1枚1枚に重さを感じることはないのですが、この花びらには彫刻刀で削り出した上質の木くずのような十分な存在感があります。「右に出るものがいない」「圧倒的な存在感」「他の追随を許さない」、こんな言葉しか出てきませんが、そんな自分を保持していくのは大変な試練なのかもしれません。丹精こめて育てられ、抜きんでた者だけが知る孤高をこの菊は知っているのだと思います。もしかしたらこの菊があこがれるのは野菊なのかもしれませんね。

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