レンゲ

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No.407 レンゲ
「蓮華草(れんげそう)」とも。マメ科です。地方によっては「げんげ」とも言います。レンゲは人の暮らしを間接的に支えてきた植物です。稲刈り後の田んぼに種を蒔き、春先に花が咲いたら蜂蜜を採ります。空中でさえずるヒバリにとっても、その頃のレンゲの茂みはヒナを育てるためのやさしいベッドになります。花が終わった後に土壌に鋤(す)き込めば、田植え前の有用な緑の肥料としても役に立つ訳です。私の実家でもその昔は、木箱にミツバチを飼っていて、ドラム缶を改良して作った遠心分離器で蜂蜜を採取していました。見よう見真似の片手間の養蜂だったのでしょうが、静かに流れ出てくる金色の糸に小熊のときめきを覚えたものです。一匹のミツバチが、一生の間に採取する蜂蜜の量は、ティースプーンに一杯ほどだと言われています。彼らの一生の産物を一瞬にして飲み下したあとに、時々それを思い出します。

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