アサガオ

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No.484 アサガオ
万葉集にもすでに「朝顔」は出てくるものの、この時代には「朝に咲く美しい花」ということで桔梗やムクゲを指していたようです。江戸時代になると人々は朝顔に変化形を求めるようになり、八重咲きや花弁が裂けたものなど品種改良から生まれた珍種は高値で取引されたと言います。人々のあくなき追求が朝顔本来の簡素なたたずまいを押しやる事になっていたのかも知れません。私自身が朝顔に求める美は、一筆書きで線がつながってしまうような簡素で柔らかいラインにあります。宙に浮いている朝顔は重力から解き放たれて伸びやかに軽やかに夏を楽しんでいます。

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