オニユリ


第133回 オニユリ
鬼百合。反り返った斑点の花弁、雌しべをガードするように取り囲んだ屈強な雄しべ。一般的な「きれい」「優美」という言葉はすぐには出てきません。丈も1mと大きく、山の中で咲いている姿は孤独な赤鬼を連想させます。覚えていますか?「泣いた赤鬼」の話です。怖そうな容姿ゆえ誰も近づきませんが、心は友を求めているという行き違う悲しさと、青鬼との友情。あたりまえの美しさは持っていないけれど、オニと呼ばれるようになったいきさつに興味が湧く花です。一方、ほくほくしたユリネがとれる貴重なユリでもあり人間を喜ばせます。

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