ミョウガ

d1727b2d34dd737e305bd68d0780e20e

No.521 ミョウガ
人知れずそこにあるものは、存在自体さえ知らない場合もあし知っていても出遭うのが難しい。その存在感の希薄さとひきかえに手に入れた美しさが、茗荷の花にはあります。普段はパック詰めされたものしか目にしないので、ミョウガがどんな風に根づいているかを想像することもありません。ミョウガは、葉茎が茂る陽の届かない薄暗い地面にぽつぽつ頭をのぞかせています。いつも食べている部分は花が咲く前の花穂と呼ばれる部分です。薄暗いところで1日だけ咲く淡黄色の花は、茂みをかき分けて収穫する人だけが見つける刹那の美しさです。

page top