No.683　シデコブシ（ヒメコブシ）
春風を受けてヒラヒラ、ヒラヒラと樹木全体が笑いさざめいている。コブシは花の根元に1枚の鮮やかな葉っぱを家来のように従えているのが特徴で、花が終わるとこの家来が姫の遺志を継ぐように葉を茂らせてまた次の年に備えていく。蕾の時なのか咲いた途端になのか、虫か鳥に花びらを食べられたものもあり、わずかひと枝にも境遇のあれこれが混在している。花のあとの若葉を日々観察するのには日めくりカレンダーをめくるような楽しさもあり、1枚の葉に自分の日々も刻んでいる。2016年4月10日
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