クサギ

217kusagi
第217回 クサギ
「臭木」。誰ですか、こんな名前をつけるのは。呼ばれる度に心がざらつくだろうに。葉をもんだ時にたちのぼる臭いが独特なためにこう呼ばれますが、言うほど臭い訳でもなく薬品のにおいというかドリンク剤のビタミンのような臭いです。赤い「がく」が、開花の頃には白花を際立たせ、瑠璃色の実がつくこの季節には枯れ野の中で意外な色の取合わせを見せて異端児のように目立っています。葉のにおいはさておき、花はジャスミンのような芳香だし青い実は野鳥たちの好物です。この実は染料としても使われてとてもきれいな空色に染まるらしいですよ。なんだ、なかなかいい事づくしではないですか。

page top